
とある公共機関のウェブサイトで、「白黒」「黒白」に加えて「青と黄」に切り替えられる機能を見かけました。
なぜこの配色が選ばれているのでしょうか。

なぜ白と黒は読みやすいのか
一般的にウェブサイトの文字は「白と黒」が一番読みやすいと言われています。
背景が白で文字が黒。もしくは背景が黒で文字が白。
数値でいうと、明るさ(明度)のコントラストが「21:1」と最も大きいというのが読みやすい理由です。
それではなぜ「青と黄」が見やすい場合があるのでしょうか。
黒と白の方がはっきりしているはずなのに、不思議ですね。
実は「白と黒」の組み合わせは、コントラストが強すぎ、識字障害(ディスレクシア)の方や目が疲れやすい方には、圧迫感やにじみを感じられてしまうという難点もあります。
青と黄が採用される理由
では青と黄はどうでしょうか。
実はこの組み合わせも、十分なコントラストを持っています。
「青と黄」の明るさのコントラストは「8:1」。
日本産業規格であるJISで定められているコントラスト比は「4.5:1」以上です。
黒白グレーといった無彩色以外の鮮やかな色同士では、かなりはっきりと見える組み合わせと言えるのではないでしょうか。
青と黄を組み合わせる理由のもう一つに、色覚多様性へのメリットがあります。
生まれつき一部の色が判別しにくい方にとっては、この2色は比較的識別しやすい組み合わせとされています。
「誰にとっても使いやすいウェブサイト」という配慮がされているのです。

それでも感じた違和感の正体
ただ私はこの組み合わせを見た際に、なぜかしっくりきませんでした。
明るさのコントラストや色覚多様性に配慮されていて、見やすいことは分かっているけれど、どうして違和感を感じるのだろう・・・。
違和感の原因は、「色みの違い(色相)」と「色の鮮やかさ(彩度)」にあるのではないかと考えました。
「青」と「黄」は「反対色」と呼ばれる、色みの差が大きい組み合わせです。
また今回のような鮮やかな色同士を組み合わせると、そこには「派手さ」や「にぎやかさ」が生まれ、人によってはチカチカした感覚が生じることもあります。
長時間文章を読む際には、もう少し落ち着いた状態である必要があるのではないでしょうか。
配色に“正解”はあるのか
配色の正解は一つではありません。
今回の件で、「誰かにとっての見やすさは、他の誰かにとっての違和感を引き起こすこともある」のだと気付きました。
色を選ぶ際は、美しさの前に「誰のための色なのか」を考えることが大切ですね。
そのことを改めて認識するきっかけとなりました。